超硬質膜形成技術の研究


 

 
 
 

 

 

 渋谷 哲夫 (954255)    蔵持 将之 (954219)


 本研究では,超硬質膜の一つである立方晶窒化ホウ素(c-BN)膜の実用化を目的としている.c-BN膜はダイヤモンドに次ぐ高硬度を有し,摩擦環境下では優れた耐摩耗性を示すことが期待されている.また,化学的安定性にも優れていることから,ダイヤモンドでは,切削できない鉄系材料の切削にも適用できると考えられており,優れたトライボロジー特性を有する材料としても期待されている.当研究室では,このc-BN膜に残留する内部応力が高いことから,膜を厚くできないという問題がある.

 そこで,c-BN膜を実用化する上で課題となっている厚膜化について,検討している.c-BN膜を単層で厚くすることは,本質的な問題(膜の残留内部応力が高いという問題)から現時点では不可能であると判断し,積層化によって対応することを考えた.積層化のための第二層としてTiN膜を取り上げ,c-BN/TiN積層膜を順次積層する事で,厚膜化の研究をしている.