磁気ディスクの表面改質に関する研究


 

 
 
 

 

 

 岩田 聡人 (954131)     鈴木 唯人 (954308)

 磁気記憶においてさらに高記憶密度を達成させるためには,磁気ヘッド・媒体の隙間をできるだけ小さくする必要がある.このため,磁気ディスク装置の信頼性を確保する極表層部の表面改質技術が重要になっている.これら極表層の摩擦現象を改善する方法には,表面を別の物質で被覆する方法と表面そのものを改善する方法とがあり,表面を被覆する方法として摩擦特性に優れた耐摩耗性薄膜の適応が期待される.

 一方,磁気ディスクのヘッド媒体インターフェースの実効隙間を低減するためには,磁気的ロスとなる保護膜の厚さを低減させる必要がある.しかし,保護膜を数nm程度にすると原子数十層程度の厚さとなり,この程度になれば摩擦摩耗に原子の粒子性が出てくると考えられる.従って保護膜だけでトライボロジカルな耐久性を維持するのは難しくなる.

 そこで本研究では,磁性膜との傾斜組成的な耐摩耗性保護膜の形成を目的とし,RFスパッタ装置を用いて,磁性媒体にプラズマ処理後,極薄の硬質膜を形成する複合処理を行った.そして,揺動型スクラッチ試験及び,走査型プロ−ブ顕微鏡(SPM)を用いて行ったマイクロ摩耗の結果を報告する.