現在田村研が所有して,Linuxマシンに接続して利用可能なカメラを紹介します.
通常のデジタルカメラです.LinuxマシンにUSB接続すれば,通常のUSBメモリと同様にアクセスできます.
QVGAサイズの画像を10フレーム/秒程度読み込むことができます.Video for Linux(Video4Linux: v4l)で扱えるデバイスのため,カーネルにドライバさえ組み込めば,v4l対応の一般のアプリケーションから利用できます.
短期間でマイナーチェンジされた機種も多く発売され,同じ製品名で同じデザインでも型番が微妙に違うだけで中身がまったく異なることがあるため,実は対応するドライバが別になることもあります.そもそも対応するドライバが存在するのかどうかも注意が必要です.
※Video for Linuxには,現在はVideo for Linux Two(v4l2)が存在します.前のv4lとv4l2の間には互換がありません.ドライバ開発者はすでにv4l2に主力が移り,今後はv4l2にしか対応しないドライバだけになる可能性が高いです.それに対して一般のアプリケーションは,まだv4lにしか対応していないものが大半で,しばらく問題が残りそうです.
※また,同様にドライバの開発はKernel2.6上だけで行われることも多く,旧Kernel2.4ではビルドできないものがほとんどになりつつあります.主要なディストリビューションは2.6に移行しているため問題ありません.しかし一部組込機器にまだ2.4のものが残っており,これらの機種に接続する場合には注意が必要です.
USBカメラ用のLinuxカーネルモジュール(ドライバ)には,次の3種類があります.
VineLinuxではオプションのカーネルモジュールを導入する必要があります.Synapticパッケージマネージャを起動して,「kernel」で検索してください.次の2つのドライバを導入します.なおPWCドライバは最初から組み込まれています.
組み込んだら,カメラをつないで再起動してください.
カメラの挙動に問題が生じた場合は,最新版のドライバを上記のサイトからダウンロードし,問題が解決するか試してください.特にPWCドライバはうまく起動しないため,最新版をいれた方がよいでしょう.
tar zxvf ダウンロードファイル名 ; ダウンロードしたファイルを展開 cd 展開されたフォルダ名 ; 展開されたフォルダに移動 make ; ビルド su ; root権限を得る make install ; インストール 念のため再起動
この時いくつか特定の注意点があります.
カメラ | 外観 | 特徴/ドライバ | Linuxによる撮像サンプル |
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ロジクール Qcam-4000Pro QV-4000 (30万画素CCD) |
旧型につき現在は入手困難 当時としては高画質 Kernel2.4のLinuxでは事実上の標準機種 これが入手できれば一番問題が少ない. PWCドライバ |
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ロジクール Qcam Orbit MP QVR-13 (130万画素CMOS) |
少し前の上位機種 (※最新はQCAM-200R 動作未確認) 静止画は1280x960,動画は640x480 動画はMJPEG形式 パンチルト機構があるがLinuxから制御不可 この機構のためか重い UVCドライバ Kernel2.6.11以降で行われたバグフィックスにより,初期のQVR-13のファームウェアのバグが浮き彫りになり,このカメラは動作しなくなった.ファームが新しいカメラに移行が必要.QCAM-200Rなら大丈夫と思われる. |
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ロジクール Qcam Pro for Notebooks QCAM-200V (200万画素CMOS) |
モバイル用の上位機種 静止画は1600x1200のはずだが960x720までしか確認できず,動画は800x600 動画はMJPEG形式 オートフォーカス,カールツァイスレンズ,54gの軽量 UVCドライバ |
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ロジクール Qcam Connect QVP-61 (30万画素CMOS) |
現在の普及型 画質は期待しないこと(特に暗部) 軽量小型 (QV-4000よりも二回り小さい) GSPCAドライバ |
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Microsoft LifeCam VX-1000 (30万画素CMOS) |
画質はまったく期待しないこと QVP-61よりも一回り大きいが,薄い GSPCAドライバ |
QVGAサイズの画像の30フレーム/秒程度読み込むことができます.IEEE1394デバイスはVideo for Linuxでは対応していないため,libraw1394および libdc1394に対応したアプリケーションでないとアクセスできません.
現在田村研にある1394カメラはステレオカメラしかありませんが,このカメラは専用のライブラリとソフトウェアが提供されていて,自作のプログラムでも専用ライブラリを用いた方が簡単にかけるようになっています.
カメラ | 外観 | 特徴 | 撮像サンプル |
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VIDERE DESIGN STH-MDCS2-C (130万画素CMOS) |
ステレオカメラ ここは関東なので電源が50Hzのため,それに合わせて内部のクロック調整.その結果秒25フレームが上限. SVSソフトウェア(Small Vision System): VIDERE DESIGN Linux install (要パスワード) ※専用ソフト |
連続静止画として取り込む場合には,QVGAサイズの画像を5フレーム/秒程度読み込むことができます.ストリームデータとしてなら15フレーム/秒までとれます.
ネットワーク接続のため遠隔地からでも接続可能な点が最大の特徴です.
カメラ | 外観 | 特徴 | 撮像サンプル |
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Panasonic(ビジネス) HCM-381 (38万画素CCD) |
21倍光学ズーム付,有線LAN
CGIマニュアル ダウンロード |
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Panasonic(コミュニケーション) BL-C30 (30万画素CMOS) |
ズーム機能なし.パンチルトのみ.無線LAN | 下と変わらず | |
Panasonic(コミュニケーション) BL-C31 (30万画素CMOS) |
デジタル10倍ズーム機能を追加.無線LAN |