埼玉県内4 大学による「連携力の高い専門職育成」がスタート!
4 大学の代表校である埼玉県立大学は、開学以来、専門職連携教育(IPE;Interprofessional Education)を充実・発展させ、埼玉医科大学との共同科目を開発しました。今後は城西大学・日本工業大学を含めた4大学の学生が共に学ぶ機会を創出するために、各大学の教職員同士が連携し、埼玉県内の関係機関・団体にもご協力を頂きながら、連携力の高い人材育成を行うことを目指します。
本プロジェクトで育成する能力
これまでの専門職養成教育は、各分野の専門的な知識や技術を体系的に学ぶことのみが重視されてきました。もちろん、各専門分野の習得は基本となるものではありますが、現代社会の複雑化・複合化する地域住民の課題は、もはや一つの専門や職種のみでは解決することはできません。様々な専門家同士が、他の専門領域について理解しながら、チームとして一緒になって力を発揮することが必要となっています。
本プロジェクトでは、4大学の連携による学びの機会を創出することにより、「多職種を理解する力」「連携する力」「連携による課題解決を行う力」を養うことを目指します。
これらの理論的・教育実践的な支柱になっているのは、専門職連携教育(IPE)です。高等教育機関において早くからこの課題に取り組んできた英国などでは、IPEを「複数の領域の専門職者が連携及びケアの質を改善するために、同じ場所で共に学び、お互いから学び合いながら、お互いのことを学ぶこと」*1と定義し、様々な形の教育を展開しています。また近年、わが国においても様々な保健医療福祉系の大学においてIPEの取組が行われるに至っています。
*1 英国専門職連携教育推進センター(Centre for the Advancement of Interprofessional Education;CAIPE)による2002年の定義。
本プロジェクトの方向性
- 彩の国大学連携科目の創出:国内でも先駆的にIPEを行ってきた埼玉県立大学では、現在、学年進行に応じて段階的に専門職連携科目を配置しています。本プロジェクトでは、これらの科目を中心に4大学の現在の開講科目を検討し、また新たな科目も含めて、研究・施行を重ねながら平成28年度までに共同開講科目を創出します。
- 学際的共同研究の実施:4大学の教員が研究・教育活動の情報を共有し、各大学の授業科目や連携科目に役立つような共同研究を奨励・支援していきます。また
- 学生の主体的な共同学習機会の奨励・支援:地域住民の質の高い暮しの実現につながる4大学の学生による自主学習の奨励や新たな学習活動の機会創出を支援します。
- 地域社会への還元:教育研究の成果を生かし、地域の専門職の連携力向上に関する研修会や、各種の情報提供・情報共有の取組を積極的に行い、地域社会へ還元していきます。
本プロジェクトの実施・評価体制
連携大学の学長及び埼玉県によって組織する「彩の国大学連携学長会議」を開催し、事業全体の方向性を定め、プロジェクトを統括します。また、連携大学の教職員による「大学連携共同会議」を月1回開催し、共同開講科目の研究や試行事業をはじめとする各種事業の企画・運営を行います。
本プロジェクトの評価は、埼玉県担当部局、各専門職団体や関係機関・団体に依頼し2014年度に設置する「彩の国大学連携評価委員会」にて行います。
本プロジェクトのパンフレット
2016(平成28)年3月、本プロジェクトの目指す教育やこれまでに行われた取り組みを紹介するパンフレットを作成いたしました。これまでの取り組みに参加した学生や教員、実習協力施設の方々のコメントも盛り込まれています。パンフレットのPDFは下記よりダウンロードいただけます。ぜひご一読ください。