はじめに
本研究では、マイクロマニピュレータは観察用の顕微鏡などを含めたシステム全体を示すことと定義し、このマイクロマニピュレータの先端部を開閉させるための装置、すなわちエンドエフェクタの開発を行なう。
クリーンブース
今実験では、実験環境の改善としてクリーンブース、およびクリーンブースを含めたクリーンブースシステムの構築をする。クリーンブースシステムとは、光学顕微鏡をブースで覆い空気を循環、温度湿度を制御させるものである。これによりエンドエフェクタ、把持対象物、光学顕微鏡をごみ埃等から守る、気温の安定化により実験精度の上昇、湿度を管理することで液体架橋力の影響を調べることができる。
エンドエフェクタ
本章では、実際に微小物を把持・操作するための手先効果器と呼ばれるエンドエフェクタ部について各種検討を行う。
今後の課題
今年度行なった、静電気力対策としての、除電器の使用によるダイヤモンド粒子の除電、液架橋力対策として湿度を低下させることで空気中の水分量を低下、この二つの対策をおこない静電気力対策は効果がみられなかったが液架橋力対策では付着頻度に低減がみられた。しかしながら、研究の目的である50μm〜10μmの領域では付着頻度がかなり高い。そこで、静電気力、液体架橋力をさらに低減させる対策が必要になる。静電気力と液体架橋力はその影響力が相対関係にあるため、今後はこの2つの表面間力に着目した調査研究が課題となると考えられる。