彩の国連携力育成プロジェクト [サイピー]

彩の国連携力育成プロジェクト [サイピー]

臨床検査技師という立場から考えるIPW

埼玉県立大学 保健医療福祉学部 健康開発学科 検査技術科学専攻

田嶋明彦講師

現場での実践につながる、経験を活かした講義田嶋講師

4大学における共同開講授業や共同研究を検討するために行われてきた『4大学連携ワークショップ』。これまでに3回行われてきたのですが、すべての回にご出席くださっている先生方もいらっしゃいます。今回のゲスト、埼玉県立大学・健康開発学科検査技術科学専攻の田嶋明彦講師はその中のお一人です。普段の講義では主に生理機能検査に関する講義や実習をご担当されています。検査技術科学専攻の学生さんは、その大部分が病院に就職をして臨床検査技師となりますが、田嶋講師ご自身も当大学の教員になる前には約20年間、専門病院で検査技師として勤務していたのだそうです。穏やかな口調のなかにも、こちらの質問に対して専門家ならではの分かりやすい説明を丁寧にしてくださる姿が印象的な先生です。

4大学連携ワークショップに参加する、その理由は・・・

 田嶋講師が4大学連携ワークショップにご参加くださる理由をお聞きしたところ、

「一番の理由は、田口先生の毎回の強引なお誘いがあることですね。情熱をもたれている田口先生に誘われると、なかなか断れなくなります」

 どうやら、saipeのプロジェクトリーダー・田口教授の熱烈なお誘い(!?)がきっかけとなっているようです。でも、もちろんそれだけではありません。

「検査技師として病院に勤務していた頃、心臓リハビリテーションを中心に行っていた関係で多職種との『チーム医療』を比較的早くから行っていました。その関係で当大学の『IPW(多職種協働)』という考え方に興味が持てたのではないかと思っています」

 田嶋講師に臨床検査技師のお仕事について教えていただきました。臨床検査技師の仕事には大きく2つ、『検体検査』と『生理機能検査』に分けられます。検体検査は、患者さんから採取した検体(血液、尿、便、喀痰、髄液、創部ガーゼなど)を分離培養して結果を報告する業務です。生理機能検査では、心電図をとったり、呼吸機能を測定したり、超音波で心臓、腹部、表在を画像検査するなど、患者さんに対して直接検査を行います。検体検査は多職種との設定はあまりないのだそうですが、生理機能検査は直接病棟で検査実施したり、緊急な場合は医師と直接検査結果について話し合ったりする機会があるとのこと。実際に田嶋講師も、病院に勤務されていた当時は、様々なカンファレンスに参加して検査結果について意見交換をされていたのだそうです。

「以前、検査専攻の学生に『IPW実習に参加しても患者方針について中心となるのは看護学科、理学療法学科、作業療法学科の学生で私たちはほとんど参加している意味がないのではないか?』と言われたことがありました。他の学生に聞いてみても半数は同じ意見でした。どうしても検査技師を志して入学してきた学生のほとんどが検体検査をイメージしているのでこのように考えているのではないかと思われます」

学生さんからのこうした意見に対し、少しずつでも検査技師のチーム医療の中での役割を指導していきたい、と田嶋講師。そのためにも時間の許す限り 4大学連携ワークショップに参加して、臨床検査技師としての「ヒューマンケアとは?・・・」、「IPWとは?・・・」を考えていきたい、と語ってくださいました。

新たなIPEを生み出すために第3回4大学連携ワークショップの様子

田嶋講師に、saipeの今後に対する期待について尋ねてみました。

「本プロジェクトは、医療関係だけでなく工業系の大学である日本工業大学が参加しているということがとても新鮮です。全く私たち医療従事者が考え得ない発想でディスカッションしているとワクワクしてきますね。ものの見方が180度違う場合などは目からウロコ状態で次はどんな角度から切り込んでくるのか予想がつかない面白さがあります。」

機会があれば今後も取り組みに参加していきたい、そして今後もより活発な意見を交わして今までにない専門職連携を実現していければ、と田嶋講師は語ります。今後も、本プロジェクトリーダー・田口教授をはじめsaipeのメンバーと、田嶋講師をはじめ4大学の教職員の方々、学生さん達と共に、4大学ならではのIPEの探求は続きます。