取組の概要
平成19年度IP演習試行事業を、10月2日、3日、4日、6日の4日間の日程で実施しました。今年度は、春日部市・越谷市・蓮田市などを中心とする埼葛南地域、東松山市を中心とする比企地域、そして秩父地域の3つの地域で、合計10ヵ所の医療機関、福祉施設にご協力をいただき、看護学科、理学療法学科、作業療法学科、社会福祉学科の4年生を中心とした合計43名の学生が、地域における専門職連携の実際の状況に触れることを通じて、他職種への理解や自分の職種の再認識、協働による援助のあり方等について、考えを深めました。
今年度は昨年度の反省を生かし、事前オリエンテーションを2回実施。また新しく導入したWEBによる学習システムを使い、異なる学科の学生同士のチーム形成や学内・学外教員とのコミュニケーションを綿密に図れるようにしました。
演習施設及びテーマ
【埼葛南地域】
〇蓮田太陽の里大地(障害者支援施設 ):脳性麻痺・四肢体幹機能障害をもつ女性への援助
〇越谷市立病院:在宅生活を送る多発性脳梗塞・肺炎の男性患者への援助
〇越谷市地域包括支援センター:虚弱高齢者の集団を対象としたQOL向上を目指したコミュニティケア
〇秀和綜合病院:慢性腎不全・脳梗塞等の男性入院患者への退院へ向けた援助
〇春日部中央総合病院:多発性脳梗塞・心不全等の男性入院患者への退院へ向けた援助
〇春日部セントノア病院:脳血管性認知症・左片麻痺の男性患者への援助
【比企地域】
〇東松山市総合福祉エリア:在宅で生活する頚椎損傷による四肢体幹機能障害をもつ男性への援助
〇東松山市地域包括支援センター:高齢者の社会参加と主体性を重視した介護予防事業の推進
〇東松山医師会病院:脳梗塞の男性患者の在宅生活移行への援助
【秩父地域】
〇秩父生協病院:脳梗塞・糖尿病男性患者の療養生活への援助
一般公開で報告会を開催
最終日の10月6日の午後からは、県内3ヵ所で演習報告会を同時開催し、合計78名(うち20名は演習協力者)の一般参加者を得ました。多大なご協力を得た演習機関のファシリテーターはもちろん、勉強させていただいたサービス利用者ご本人や、患者のご家族の参加もあり、それぞれ報告内容に対するコメントや激励をいただきました。
自己評価アンケートによる学生の声
〇「自らの職種の役割を再認識し、他職種の役割を具体的に理解した」
〇「よりよいケアを行うに当たり、様々な方法があることを学習した」
〇「曖昧だった連携や統合という言葉の示すものと重要性を実感した」
〇「専門実習終了後に演習を行なったことで、更に深い議論ができた」
〇「共通の目標がチームのまとまりをつくることを実感した」
〇「チームとしての関わり方、その中の自分の関わり方を学習できた」
〇「患者・利用者を中心に考えることでチームが同じ方向性に統一されていくことを実感した」
〇「ことばの壁、視点の違いが発生したが、そこで新しい視点を獲得できた」
〇「チーム全体がバラバラなところから、まとまる過程を肌で実感できた」
〇「あまり詳しくない社会資源の利用について考えるきっかけとなった」
〇「学科の勉強のみにとどまらない内容について討議できた」