彩の国連携力育成プロジェクト [サイピー]

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2008年度IP演習報告

最後の試行事業を終えて

 平成20年度の専門職連携演習(IP演習)試行事業を、9月終わりから10月にかけての4日間の日程で実施しました。この試行事業は、平成21年度4年次生に対して初めて開講される必修科目「IP演習」のために、過去数年間、学生を公募して行ってきました。本番をいよいよ翌年に控えた最後の試行事業には、学生約70名の参加があり、19の協力施設へ異なる学科の学生がチームを組んで赴き、課題に取り組みました。

 今回は3年生の参加もありましたが、平成21年度からの正式科目ではすでにそれぞれの学科は専門的な実習を終えてからこの演習に参加することとなっています。自らの専門性、そして他の分野との共通性を確認しながら、実際の保健医療福祉の現場指導者の導きを受けながら、患者・利用者にとってのよりケアの在り方をチームで考えていくことによって、協働の態度と技法を学ぶのがこの演習の狙いです。

 最終日には県内7か所で学習成果の報告会を一般公開によって行いました。演習でご指導いただいた各機関の職員の方々をはじめ、地域の保健医療福祉関係者、さらには演習でお話をお伺いした患者・利用者の皆さんの参加もあり、報告後のディスカッションも活発に行われました。

 例えば埼玉県比企福祉保健総合センター・東松山保健所にて演習を行ったチームは、認知症の方々に対する地域でのケアの在り方について学び、演習の一環として認知症を持つ家族の方々にお話をお伺いました。報告会にも家族の方々にご参加いただき、貴重な意見に触れることで、改めて大きな学びを得ることができました。

 今年度の大きな特徴は、女子栄養大学の栄養士を目指す学生と、獨協医科大学の医学生が演習に加わったことです。埼玉県立大学が擁する学科は限られており、これら栄養学や医学などの他の領域の学生とのかかわりはカリキュラムの中ではほとんどありませんでした。現実の保健医療福祉の現場では、その他さまざまな領域の専門職と協働して援助を行っていますが、今回の試行事業を通じて、改めて他の分野の教育課程を擁する大学との協働の必要性が確認されました。

 平成21年度は約450名の4年次生が、県内約80か所でこのIP演習を行います。我が国でこれだけ大規模にこの種の教育に取り組んでいる大学はほとんどなく、学生・教職員はもちろん、地域の方々の理解とご協力が欠かせません。皆さまなにとぞご協力のほどよろしくお願いします。

平成20年度IP演習試行事業にご協力いただいた機関(順不同)

医療法人社団誠信会かさい医院、特別養護老人ホーム扇の森、さいたま市北区障害者生活支援センター・地域活動支援センターベルベッキオ、医療法人三慶会指扇療養病院、さいたま市大宮区障害者支援センターみぬま(以上さいたま市)、社会福祉法人大樹会介護老人保健施設ぽっかぽか(白岡町)、埼玉県厚生連幸手総合病院(幸手市)、社会福祉法人あげお福祉会「杜の家」(上尾市)、心身障害者地域デイケア施設あさひあ~と、済生会川口総合病院(以上川口市)、医療法人秀峰会北辰病院(越谷市)、社会福祉法人春日部福祉会特別養護老人ホーム百合の郷(春日部市)、介護老人保健施設プルミエール(松伏町)、社会福祉法人吉祥福寿会特別養護老人ホーム吾亦紅(蓮田市)、東松山市立市民病院、埼玉県比企福祉保健総合センター・東松山保健所(以上東松山市)、国保町立小鹿野中央病院(小鹿野町)、秩父生協病院(秩父市)