11月9日(月)の2限~5限までの4時限を使って、埼玉医科大学医学部1年生の医学概論ユニットにおいて、埼玉県立大学保健医療福祉学部社会福祉こども学科の新井利民准教授による講義が行われました。本学では4年生でIPW実習を履修することを視野に入れ、平成23年度より共通基盤教育に取り組んできました。この時間は彩の国連携科目であるヒューマンケア論の一部に位置づけられ、「障害とともに」「ヒューマンケアとは」という内容での講義と8人ひと組でのグループワークが行われました。
「障害とともに」は、障害の歴史的な捉え方の変化や障害の構造的な捉え方についての講義の後、同年代の障害を持つ青年の事例から、自分と共通する点、異なる点についてディスカッションを行い、自分達との違い、自分の中にある障壁への気づきなどをグループで検討しました。
ヒューマンケアについては、県立大学の建学の理念である連携と統合を目指す上で、特に対人援助の基盤としての意味と、目的概念としての意味があること、さらに、現在専門職に求められる連携の必要性や、そのためにチームとして必要な要素、ケアの双方向性について学びました。その後に、重症心身障害を持つ方が生活していく上で、地域住民として、医療者としてどのように関わり、何を目指すのかについてグループで検討しました。グループワークの発表の中には、心の動きを喜びにしていくこと、障害がある人が進学したい場合には入試でも配慮が必要であること、家族の状況に合わせた医療を提供することなど、様々なケアのあり方が示されました。一部の学生は臨床入門実習で重症心身障害児施設光の家療育センターでの実習を終えた後でもあり、障害を持つ方の喜びや生き方について振り返る様子が見られました。
終了後の感想では、「障害のある方のDVDを見て、人間の尊厳、生きる意味、命とは何かについて考えさせられた」「一見自分とは全然違うように見えるひとも、好奇心など共通点は多いと感じた」「障害のある方も私たちと同じく喜びを示していて、見ていてうれしくなった」「これから勉強していくことで自分なりの答えを見つけたい」など、難しいテーマ、答えのないテーマにチームとして取り組むことで、様々なことを感じ、多様な意見があることや今後の自らの課題に気づくなど貴重な時間になったことが伺われました。